「最近、インコが片足を上げたままだったり、止まり木の上でふらつくことがある…」そんな変化に気づいて、不安を感じていませんか?
インコの足はとても繊細で、小さな異変が深刻なトラブルに発展することもあります。実は、足が悪くなる原因には止まり木の種類や配置、運動不足、肥満、さらには病気など、さまざまな要素が関係しているのです。
この記事では、セキセイインコに多い足のトラブルの種類と、それを未然に防ぐためのお世話のコツをご紹介します。
また、足の悪いセキセイインコ「オムちゃん」を飼育している筆者ズエが、オムちゃんの足がこれ以上悪くならないように日々気をつけていることもお伝えします。
「どんな止まり木を選べばいいの?」「食事でできることは?」「うちの子は大丈夫?」
そんな疑問に少しでもお役立ていただけたらうれしいです。
「インコの足が悪い」とは?主な症状と見極め方

インコの足の異常は、早期に気づくことでケアがしやすくなります。
小さな変化が体調悪化のサインになる可能性があるからです。歩き方、つかまり方、爪の動きなどを日常的に観察しましょう。
歩行の異常・跛行(はこう)
- びっこを引いたような歩き方をする
- 片足や両足を引きずるように歩く
- 止まり木につかまりにくそうにする
足の使い方の変化
- 足を握ることができない(握力低下)
- 足をグーのままで歩く
- 片足を上げたままでいる
- 止まり木から落ちやすくなる
足の外観の変化
- 足の一部が赤く腫れる
- 足底部が硬くなる
- 皮膚が白くカサカサしている
- かさぶた状のものができる
行動の変化
- 足を気にして噛む様子がある
- 活動量が減少する
- 翼を使って移動しようとする
- 痛みを示す行動(鳴き声の変化など)
「インコの足が悪くなる原因」7選

セキセイインコの足の問題は、以下のような原因や疾患によって引き起こされます
栄養不足による関節や筋力の低下
栄養面での不足や偏りによって起こる病気で、特にビタミンB1(チアミン)の欠乏によるものが多い
症状:
・脚に力がはいらなくなる
・軽い外力で跛行(はこう)が始まる
・時間の経過とともに両足に運動障害がみられる
・止まり木につかまれなくなる
特に若い鳥や幼鳥に多く見られ、アワ玉のみの挿し餌で育てられている場合などに発症しやすくなります.
足底炎(そくていえん・バンブルフット)
止まり木の形状や材質が不適切な場合など、足への負担が大きい環境で生活することで起こる炎症です。
症状:
・初期は足底部が赤くなるだけで自覚症状は少ない
・進行すると痛みを示すようになる
・患部が腫れて硬くなる
・かさぶた状になる場合もある
軽度なうちは発見が難しいですが、進行すると歩行に支障をきたします。
疥癬症(かいせんしょう)
ダニの一種である「カイセンダニ」の寄生によって起こる皮膚病です。足だけでなく、顔周りやくちばしにも症状が現れます。
症状:
・強いかゆみがある
・足が白くカサカサしてくる
・くちばしや爪に穴の空いた白いかさぶたのようなものができる
・爪やくちばしが異常に伸びる場合もある
セキセイインコがよくかかる皮膚病の1つで、適切な治療が必要です。
内臓疾患による二次的な足の問題
腎臓や精巣の腫瘍などが原因で、神経が圧迫されて足に症状が現れることがあります。
症状:
・特に精巣腫瘍のばあい、神経を圧迫して脚の麻痺を引き起こす
・片側または両側の脚の完全・不完全麻痺
・歩行困難
セキセイインコでは、腎臓や精巣の腫瘍が坐骨神経を圧迫することで脚の麻痺を引き起こすことがあります。
変形性関節炎
加齢や外傷などが原因で関節に炎症が起こる疾患です。
症状:
・痛みや関節の可動域の制限
・握力低下によって滑ったり、脚間が広がる
・片方の脚の痛みが大きい場合は反対の脚に体重をかける
・患脚を浮かせることもある
高齢のセキセイインコに見られることが多い。
痛風
尿酸塩の結晶が関節に沈着することで起こる疾患です。
症状:
・握力の低下
・活動量の低下
・止まり木から落ちる
・止まり木をつかみたがらない
・進行すると脚に白い結束ができる
肥満や運動不足による負荷増加
インコの足は細く、体重を支える力が限られています。肥満になるとその分足にかかる圧力が増え、足裏が擦れたり、変形したりするリスクが高くなります。
また、運動不足になると筋力が落ちて、バランスを取るのが難しくなり、止まり木から落ちたり、関節に過度な負荷がかかりやすくなります。
インコが肥満気味だったり、日頃からあまり動かない環境で飼育されていると、足に過度な負担がかかり、関節や足裏にトラブルを抱えやすくなります。
インコの足のトラブルを防ぐお世話のコツ

セキセイインコの足の問題を予防するためには、以下のような対策が有効です。
バランスの良い食事の提供
- シード類だけでなく、野菜や果物も与える
- 必要に応じてビタミン・ミネラルのサプリメントを与える
適切な環境づくり
- 様々な太さや材質の止まり木を用意する
- ケージ内を清潔に保つ
- 適切な湿度と温度を維持する
定期的な健康チェック
- 足の状態を定期的に観察する
- 変化に気づいたら早めに対応する
- 定期的な獣医師による健康診断を受ける
早期発見・早期治療
- 少しでも異常を感じたら専門の獣医師に相談する
- 自己判断での治療は避け、専門家の指示に従う
筆者ズエがオムちゃんのためにしていること

バランスのよい食事の提供のために
・シード類にボレー粉、青梗菜チップ、グリーンフードを混ぜて与えている
・青菜(豆苗)やくだもの(りんご)を適時与えている(本当はいろいろなものをあげた方が良いがオムちゃんは好き嫌いがはげしく、ほかのものは食べないので)
・ネクトン(サプリメント)をお水に溶かして与えている
適切な環境づくりのために
・さまざまな太さや天然木の止まり木を用意する。(ロープタイプの止まり木も良いようだがオムちゃんは爪がひっかかりそうなので使用していない)
・滑りそうな止まり木には伸縮性テープを貼ってすべらないようにしている
(糸を引っ張り出すのが好きなインコちゃんにはおすすめできないがオムちゃんにはあっているようでとても安定して止まっている)ズエはダイソーの伸縮性包帯で代用しているが今のところ問題はない。汚れたり、剥がれてきたときは貼りかえている
・落ちてしまったときクッションになるように床をととのえている(新聞紙を厚めに敷いて上に広葉樹ノンダストフレークを敷いている)以前ペットシーツを使ったところ爪が引っかかってしまったため、使用をやめました。

・止まり木間の距離を近づけて移動しやすくする(くちばしが届くかどうか距離をはかっているようだったのでできるだけくちばしが届く位置にした。現在はしごの利用も検討中)
・お気に入りの位置を観察して配置を調整

いつも ありがとう♥️
・餌や水を取りやすい場所にうつし、エサ箱にたくさんえさをいれて食べやすいようにする
・ふんはできるだけ毎日取り除くようにしている。
・デジタルサーモスタットをつけて適切な温度と湿度を管理
定期的な健康チェックのやり方
・えさを変える時、放鳥時、止まり木の移動時にいつもと違う動きをしていないか、足の不具合が見つからないか羽の乱れがないか(知らない間に落ちていて羽が乱れている時がある)ふんの状態は良いかチェックする
早期発見・早期治療
・少しでも異常を感じたら、セキセイインコを診察してくれる病院に電話して、診察してもらいます。(家の近くでセキセイインコの診察と爪切りをしてくれる病院をさがしておくと安心)
・爪切りをお願いしたときに、足の状態を診てもらう
いまはこのような感じです。これからはしごの使用なども考えています。
よくあるQ&A

Q1:足の悪いインコに最適な止まり木の太さはどのくらいですか?
A:通常より太めがよい。一般的にセキセイインコは直径1.5〜2cm程度が良いと言われていますが、足の弱っている場合は少し太めの2〜2.5cm程度がよいとされています。
足が悪い場合は、細すぎる止まり木だと握力に負担がかかりますし、太すぎるとすべってしまって安定して止まることができません。そのインコの体格と足の状態に合わせて適切なものを選ぶのがよいでしょう。
Q2:インコのケージには何本の止まり木が必要ですか?
A:インコのケージには、2本以上の止まり木を設置することがよいとされています。
ただし、止まり木の数が多すぎるとケージ内の移動が困難になるため、ケージの広さにあわせて適切な本数を設置するのがよいでしょう。
Q3:伸縮テープの巻き方を教えてください

A:1.まず、伸縮テープを用意します。(ペット用やスポーツ用の自着性伸縮テープ)
2.清潔な止まり木を用意しテープの端を止まり木の端に固定する。
3.テープを引き伸ばしながら、重なるように螺旋状に巻いていく。
4.最後はテープの端をしっかり押さえて固定する
Q4:伸縮テープの選び方を教えてください?
A:自着性の伸縮テープがおすすめ(テープ同士がくっつくタイプ)
100円ショップでも購入できるスポーツタイプでもよい(ズエはこれを使っています)
ペット専門店で「止まり木保護テープ」「ペット用粘着包帯」として販売されているものもあります。

Q5:伸縮テープの交換時期を教えてください?
A:汚れたら随時交換する(目安は2週間〜1か月くらいがめやす)
破損や劣化が見られたらすぐに交換する
Q6:最も足にやさしいとされる止まり木の種類は何ですか?
A:足に問題を抱えたインコに最も優しいとされる止まり木には以下のものがあります。
・カクタスパーチ(サボテンの骨からできた止まり木):
表面の凹凸が足裏の負担を均等に分散する
硬すぎず柔らかすぎない適度な硬さで足裏に優しい
爪の自然な摩耗にも効果的
・伸縮テープを巻いた自然木:
自然木の適度な凹凸に伸縮テープのクッション性が加わる
足底炎などの症状がある場合に特に効果的
握力の弱った鳥でも少ない力で止まれる

・ロープパーチ:
柔らかく足裏への負担が少ない
グリップ力があり落下を防止できる
※ただし、ほつれた糸による事故に注意が必要
・フラットな止まり木/ステージ
足を完全に開かずに体重をかけられる
特に高齢の鳥や足の力が弱った鳥に適している
これらの止まり木を組み合わせて使用し鳥が好みの止まり木を選べるようにするとよい
まとめ|インコの足トラブルに気づいたら、まずは“観察と環境見直し”から
インコの足は、毎日を元気に過ごすための大切な部分です。
だからこそ、小さな変化にも早めに気づいてあげることが、何よりのケアになります。
今回ご紹介したように、止まり木の選び方や配置、食事の工夫、そして日々のちょっとした観察が、足トラブルの予防にもつながります。
筆者ズエも、足の悪いセキセイインコ「オムちゃん」と暮らしながら、試行錯誤をくり返しています。
完璧でなくても、「うちの子のためにできること」を1つずつ積み重ねていくことで、インコのQOL(生活の質)はきっと上がっていきます。
「うちの子、大丈夫かな?」と心配な方も、焦らず、まずは今日からできることから始めてみてくださいね。
あなたのやさしい気づきが、インコの未来を支えてくれます!

HAPPY LIFE♥️
最後までお読みいただきありがとうございました。何か質問やご意見がありましたら、ぜひコメント欄でお知らせください。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!
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