ペットショップで売れなかったインコとの暮らし:私が「売れない」子を迎えた理由

インコのオムちゃんの写真 うさぎのれいくんと仲間たち
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こんにちは。ペットショップで「売れなくなった」セキセイインコ、オムちゃんと暮らしている50代主婦のズエです。

突然ですが、

「ペットショップで売れ残った鳥ってどうなるの?

「病気になったら、処分されちゃうの…?」

そんなふうに心配になったことはありませんか?

元気にさえずるインコたちの陰には、販売リストにも載らない売れない鳥たちがいます。

私のパートナー、オムちゃんもそのひとり。

病気の疑いが出て、ショップの片隅でひっそりと過ごしていた子でした。

この記事では、そんなオムちゃんとの出会いを通じて、

「売れなくなった鳥たちは、そのあとどうなるのか?」

そして、実際に娘が働くペットショップではどんな対応をしているのか?

私の体験をまじえてお伝えしていきます。

ペットショップで「売れない」鳥たちって?

ペットショップと動物たち

販売リストに載らない鳥たちの存在

ペットショップに並ぶインコたちは、元気いっぱいで愛らしく、私たちの目を引きますよね。

でもその裏側で、実は販売リストに載らない鳥たちがいることをご存じでしょうか?

たとえば、病気の兆候が見られたり、ケガをしたりして「この子はもう売れない」と判断されたインコたちは、表のケージから姿を消し、裏のスペースで静かに過ごすことになります。

中には回復を待って再び販売される子もいますが、そうでない子は販売対象から外されてしまいます。

病気や障害があるとどうなる?

娘が働くペットショップでは、体調に異変が見られた鳥は、隔離しスタッフがお世話します。

病院に連れて行って完治した場合は、元気になった後に店舗に戻され、再び新しい飼い主さんとの出会いを待ちます。

ですが、完治が難しい病気や、生まれつきの障害がある子たちは、店舗の裏でスタッフが責任を持ってお世話しています

そのままショップで静かに一生を終える子もいれば、やさしい里親さんと出会い、新しいおうちへ迎えられる子もいます。

「売れないから殺処分される」ということは、このショップではありません。

どの子にも命としての価値があります。

売れ残りの鳥たちはどうなるの?

実は、売れ残ることはあまりありません

ほとんどの子が、時間をかけてでも新しい飼い主さんのもとへ迎えられていきます

中には「ヒナより、落ち着いた成鳥がいい」と探しているお客さまもいらっしゃいますし、店舗を移動することで、移動先で素敵な出会いが待っていることもあります。

「売れ残り=かわいそう」と心配されがちですが、実際にはそんなケースはまれで、多くの鳥たちにきちんとした居場所が見つかっていくのです。

私が出会った、売れなかったオムちゃん

インコのオムちゃん

病気の疑いで販売対象外に

オムちゃんは羽の成長がうまくいかず、飛べないために販売対象外となりました。

ひなの頃には異常が見られませんでしたが、成長とともに症状が現れたため、他の鳥とは別にして様子を見ることに。

とはいえ「別にする」といっても、決して可哀想な隔離ではありません。

オムちゃんは社員の休憩室で過ごしており、店舗の鳥たちとは離れていましたが、安心できる環境で丁寧に扱われていました。

私が「飼いたい」と思った理由

同じ病気の疑いがあったもう1羽の鳥さんに、里親が決まりました。

そして、オムちゃんだけが取り残されてしまったのです。

たった1羽で、これからどうなるのかもわからない。

その境遇を思うと、胸がギュッと締めつけられました。

わが家には他に鳥がいないため、病気がうつる心配もありません

それに、娘から「なかなか里親が見つからない子がいる」と聞いていたこともあり、オムちゃんのことがどうしても気になってしまって。

私は思いました。

この子を、わたしの家に迎え入れたい

もう少しのびのびと、安心して過ごしてもらいたい。

できるだけストレスのない暮らしの中で、この子らしい日々を取り戻してほしい。

そんな気持ちが、自然にわいてきたのです。

「ペットショップで売れない鳥を迎えるという選択:その暮らしと心構え」

インコのアップ画像

ハンデがある子でも、愛情で関係は育つ

「足が悪い」「飛べない」「病気にかかっている」売れ残ってしまう鳥たちには、そんなハンデがあることも少なくありません。

けれど、それはかわいそうで終わる話ではないのです。

実際に、わが家のインコ・オムちゃんも脚が不自由で飛べません。

だからこそ見えてきた関係性の深まりや、小さな成長に気づける喜びがあります。

最初は少し距離があっても、毎日の声かけや、そっと差し出す手の温もりで、心の距離は少しずつ縮まっていきます。

ハンデのある子は、確かにケアや配慮が必要です。

そのぶん、心が通じたときの喜びは何倍にもなって返ってきます

どんな子でも、愛されて育つ力を持っています。

そう信じて関われば、きっとあなたの心にも、あたたかな変化が訪れるはずです。

「かわいそう」じゃなく「その子らしい暮らし」を

足が不自由で飛べないオムちゃんと暮らしていると、よく「かわいそうだね」と言われます。

でも私は、そのたびにちょっとだけ胸がチクリとします。

なぜなら、オムちゃん自身は「自分はかわいそう」なんて、思っていないからです。

たしかに、できないことはあります。

高いところに飛んで行ったり、長い距離を移動することはできません。

けれども、オムちゃんにはオムちゃんのペースがあって、ちゃんと得意なこともあるんです。

たとえば、気に入ったおもちゃをつついて遊んだり、鏡の中の「もうひとりの自分」と熱心に会話(?)したり。

くちばしを使ってケージの中を上手に移動することもできます。

そして、大好きな豆苗を食べている時のオムちゃんは、本当にいきいきとしています。

「かわいそう」という視点ではなく、「この子はこういう子」と受け止めて、その子らしい暮らし方をいっしょに探していく

そんな関係が、私はとても好きです。

環境を工夫すれば、安全で楽しく過ごせるようになります。

止まり木を低くしたり、柔らかい床材を敷いたり、転んでもケガしないレイアウトにしたり…。

そうした手間のひとつひとつが、「その子らしい暮らし」を支えることになるのだと思っています。

だから、「かわいそう」じゃなくて、「かわいいね」「今日も元気でいてくれてありがとう」って言ってあげたい。

オムちゃんと暮らして、私はそう思えるようになりました。

引き取る前に考えてほしいこと(ケアの必要性など)

「かわいそうだから」というだけでは、継続してお世話していくのはむずかしいものです。

ハンデのある動物を迎えるときは、可愛さだけでなく「ケアが必要な現実」を知っておくことがとても大切です。

たとえば、オムちゃんのように足に障害がある場合、止まり木にとまりにくかったり、ケージの中をうまく移動できなかったりします。

床に落ちることも多いため、ケージの底にはクッション性のある新聞紙を厚めに敷き、止まり木には伸縮性の包帯を巻いて足への負担を減らすなど、日々のちょっとした気づかいが欠かせません。

さらに、ケガのリスクや病気の再発に気を配ることも必要です。

私も「今日は足が強ばっていないかな?」「ごはんはちゃんと食べたかな?」「羽の様子はどんなかな?」と毎日よく観察しています。

普通に飛びまわる鳥さんよりも、ほんの少し多く手をかける

その時間が、私にとっては愛おしい時間になっています。

そしてもう一つ、自分ひとりで抱えこまず、獣医さんや専門家に頼る準備も忘れずに。

病気やケガのケアに不安があるときは、無理せず相談できる環境をつくっておくと安心です。

ハンデのある子を迎えるのは、責任も覚悟もいります。

でもそれは、同時に「この子と一緒に生きていく」よろこびを感じられる、かけがえのない日々の始まりでもあるのです。

引き取って良かったと思ったこと

引き取ってしばらくしてから、オムちゃんに少しずつ変化が現れはじめました。

それまでボサボサで抜けやすかった羽がふわっと整い、つやが出てきたんです。

抜け落ちる羽の量も減り、目に見えて元気になっていく姿に、驚きと嬉しさで胸がいっぱいになりました。

最初は止まり木の上でじっとしているだけだったのに、ある日、小さな足でパタパタと動いてジャンプする姿を見せてくれたときには、思わず涙がこぼれそうになりました。

「できないと思っていたことが、少しずつできるようになる」

その姿に、こちらがたくさんの勇気と希望をもらっています

オムちゃんは、ペットショップで「売れない」と言われていた子。

でも、わたしにとっては世界にひとりだけの、かけがえのない存在です。

いまは、うちに来て、元気になっていく姿を見せてくれることが、わたしにとって何よりの喜びになっています。

そしてそれは、「この子を引き取って本当によかった」と心から思える瞬間です。

Q&Aコーナー

Q&ATAOのイラスト
Q
ペットショップで売れ残った動物たちはどうなってしまうの?
A

お店によって対応は異なりますが、病気や障害のある子は販売対象から外れ、そのまま飼育されるか、引き取りを募る場合があります。

Q
引き取るには特別な手続きが必要?
A

特別な制度は、ありませんが、お店の判断で譲渡されることも。店員さんとの信頼関係が大切です。

Q
障害のある鳥と暮らすのは大変?
A

工夫は必要ですが、その子のペースに合わせれば、安心して暮らしていけます。お世話の中で信頼関係が生まれます。

まとめ:

売れ残ったり、障害があることで表舞台に出ることのなかった鳥たちにも、それぞれに大切な「物語」があります。

私にとってオムちゃんとの出会いは、「命を迎える」ということの意味を、あらためて考えるきっかけになりました。

そして今では、オムちゃんが快適に、安心して過ごせるように工夫を重ねることが、私の楽しみにもなっています。

すべての命が「売れるかどうか」だけで選ばれることのない世の中になりますように。

そんな願いをこめて、これからもオムちゃんとの日々を綴っていきます。

ペットショップは、ときに厳しい目で見られがちですが、実際に働く方々は、みんな動物が好きなやさしい人たちです。

売れない子や病気の子のことも、きちんと大切に向き合ってくれています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう!

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