実家の片付けや処分……
いわゆる「実家じまい」。
頭のどこかではずっと気になっていました。でも、父がまだ元気で暮らしている今、「すぐにやることじゃない」と思っていたのです。
そんな私の心に、静かに、確実に火をつけた一冊がありました。
それが今回ご紹介する 『私の実家が売れません!』(高殿円 著)です。
この本を読み終えたとき、「私も、今からやっておこう」と自然に思えました。
今回は、書評という形で、この本から得られた気づきや学び、そして私自身が実践しようと決めたことをお伝えします。
笑えて学べる“実家じまいのリアル”
著者の高殿円さんが、実際に体験した「とんでもない実家の売却奮闘記」
ユーモアたっぷりに描かれています。
重くなりがちなテーマなのに、なぜかクスッと笑ってしまう。
だけど、気づけばたくさんの知識と気づきを得ている
そんな不思議な本です。
印象的だったのは、不動産会社から「売れません」と断られるほどの築古物件を、あきらめずに様々な手段で片付け、発信し、最終的には販売につなげていく著者の行動力。
中でも驚いたのは、ジモティー(地域掲示板アプリ)を活用して「実家の処分や販売につなげる」という方法

「ジモティーって、そんなことまでできるの?」
再建築不可物件!?親族も知らなかった衝撃

物語の中で、著者が直面するひとつの問題に私は思わず手が止まりました。
実家が「再建築不可物件」になっていた。しかも、親族は誰も知らなかった!
つまり、家を壊したら、新しく家を建てられない土地だったということです。
この話に「他人ごとじゃない」と思いました。
もしかしたら、うちの実家だって調べてみないとわからない。
不動産のことって、意外と親世代も詳しく把握していないんですよね。

私も実家の権利関係や土地の状態を一度確認しておこう
実家じまいチェックリストがありがたい

本の中には、「実家じまいに向けてやっておくべきこと」がチェックリスト形式でまとめられていて、とてもわかりやすかったです。
- 親が存命中にすること
- 相続後に売る(3年以内に!)
- 相続後に貸す
- 住み継ぐ
これらの時期に何をしたらよいか?また、詳しい内容が簡単に書かれていてとても参考になりました。
・親が存命中にすることの中で自分でやること
・実家の下調べ(詳細は本誌p74を参照)
(建て替えができるか?売れそうか?)
・実家周辺の売却価格の確認(旗竿地は安くなる傾向)
・兄弟・親族との方針の話し合いの場を設ける
・配偶者・子どもなどステークホルダーの意見を聞く
・境界の確認(詳細は本誌p76を参照)
*私の実家が売れません 高殿円:著 実家じまいチェックリスト引用
これらを今やっておいたほうがよいことリストに追加して、できることはやっていこうと思いました。
不動産会社に頼むなら知っておきたい「7ステップ」も

さらに、本書では、一般的な不動産会社に依頼して実家を売却するまでの流れも、しっかり7つのステップに分けて紹介されています。
1.売却の準備
2.査定して不動産会社を決める
3.不動産会社と契約を結ぶ
4.売却活動・内覧の対応をする
5.買い主と売買契約を結ぶ
6.物件の決済・引き渡し
7.確定申告を行う
*私の実家が売れません 高殿円:著 p127参照
知らないままだと不安になるけれど、流れを知るだけで気持ちが軽くなる。
期間やどんなことをしたらよいかも書かれていてとてもわかりやすい!
これも大きな学びでした。
今からできる「家の維持管理」も具体的

「まだ父が住んでいるし、しばらくは実家を手放さない予定」という私にとって、ありがたかったのが、家を維持するための管理方法が丁寧に紹介されていたことです。
屋内・屋外・リフォームでできることは住み継ぐ場合も売却する場合も必要なこと。
今からできることは少しずつやっていくことに決めました。
自分で今からできそうなこと
・こまめな換気
・室内の掃除
・天井や壁、床のシミのチェック
・庭木の管理
・雑草の除去
・建物のチェック
・外壁の塗装
などです。他にも記載されていますがいまの私にできそうなことはこれだけ。
こうした小さなことが、家の価値を守ることにつながるんですね。
放っておくと傷むけれど、少しの意識で「売れる家」に保つことができる。
まさに今からできる実践法でした。
私がさっそく始めたこと

本を読み終えた私は、さっそく行動にうつすことにしました。
・家の登記簿・名義の確認をする
・荷物の整理は「ジモティー」の選択肢も考える
(どんな人がどんなものをどんな形で掲載しているかリサーチする)
・家の傷み具合や修繕の必要性を記録(自分で直せそうなところは少しずつ直していく)
・処分することになるであろう食器や家具の把握(どんなものがどのくらいあるのか)
処分ではなく“譲る”という選択肢は、捨てることへの抵抗感が少なく、私の性格にも合っているように思いました。(ただし、体力が必要!)
まとめ「まだ先」と思っている今が、実は一番のチャンス
『私の実家が売れません!』は、笑いながら読めるけれど、読後には確実に何かが変わっている本です。
重く考えすぎずに、でも、将来に備えて。
今できることから少しずつ、始めてみよう。
そんな気持ちになれました。
この本は、
・実家の片付けや処分が不安な方
・「まだ父母が元気だから」と先送りにしている方
・何から始めたらいいかわからない方
そんな方々に、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
書籍情報

最後までお読みいただき、ありがとうございました。何か質問やご意見がありましたら、ぜひコメント欄でお知らせください。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!
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